君との思い出を探し続けて。
2.君に罪などなかったはずだ。
次に目を覚ましたのは__。
「僕の……部屋?」
見覚えのあるカーテンや机に、思わずそう言ったが、少し違う。
まだ、陽彩との思い出の物が残っている。
一緒に買ったマグカップ、Tシャツとか、今はもうタンスで眠っているものばかり。
「なんで……?」
どうして僕は、こんな部屋にいるんだろう。
さっきまで教室にいたはずなのに。
それに、僕が思い出をしまったのは、陽彩がいなくなってしまったから……。
残っているということは、もしかして、今までのことは全部夢だったのか?
ここは、陽彩がちゃんと存在している世界……?
「っ、じゃ、じゃあ」
自分を落ち着かせるために、無理やり声を引っ張り出す。
陽彩が見たら、きっと笑うような情けない声。
でも、僕は。
「っ……会いたいっ……」
言いたいことが、たくさんあるんだ。
伝えたいことが、体中からあふれそうなほどあるんだ。
夢かもしれない。そんなことはとっくに分かってる。
でも、会いたくて会いたくてたまらないんだ。
「行かないと……」
重い体を引き起こし、ドアをひねる。
見慣れているはずの廊下は、なにか違うものに見えた。
階段をおり、玄関へ向かう。
外へ出ると、僕は、目を見張った。
「誰もいない……?」
車1つ通らない、いつも通っている道路。
自分の足音だけが辺りに響き渡る。
僕の家は、かなり人通りの多いところだと思う。
だから、人や車は、よっぽどのことがない限り、あるはずなのに。
「あの、誰かいませんか……!」
そう声を発しても、答えてくれるものは何もない。
僕は一体、なんの世界にいるんだ……?
ずる、と膝から崩れ落ちそうになる。
自分のいる世界がよく分からない。知っている、どこかで見たことがあるはずなのに。
世界に自分の存在を否定された気分だ。
「うっ……」
無意識に体中から力が抜け、膝から崩れ落ちる。
思わず目をつむると、後ろで懐かしい声がした。
「……伊吹っ!」
この声は……玲央?
今までお前、どこにいたんだよ。
そう聞きたいのを抑え、なんとか体を起こす。
「玲央……お前、いつから」
「それはこっちのセリフだ。俺だって、気づいたら自分の家にいて……。
誰もいなかったから、とりあえず伊吹の家に行ってみようってなって、来たんだからな」
一番家が近いからな、と言い、後頭部を乱雑にかき乱す。
「へー、そっか」
……少しだけ、玲央が僕のことを頼ってくれているような気がして、嬉しかった。
今さらすぎるが、僕の玲央に対する態度は悪かったと思う。
今更思っても無駄なんだけれど。
「他の人は誰かいた?」
「いや、
「僕の……部屋?」
見覚えのあるカーテンや机に、思わずそう言ったが、少し違う。
まだ、陽彩との思い出の物が残っている。
一緒に買ったマグカップ、Tシャツとか、今はもうタンスで眠っているものばかり。
「なんで……?」
どうして僕は、こんな部屋にいるんだろう。
さっきまで教室にいたはずなのに。
それに、僕が思い出をしまったのは、陽彩がいなくなってしまったから……。
残っているということは、もしかして、今までのことは全部夢だったのか?
ここは、陽彩がちゃんと存在している世界……?
「っ、じゃ、じゃあ」
自分を落ち着かせるために、無理やり声を引っ張り出す。
陽彩が見たら、きっと笑うような情けない声。
でも、僕は。
「っ……会いたいっ……」
言いたいことが、たくさんあるんだ。
伝えたいことが、体中からあふれそうなほどあるんだ。
夢かもしれない。そんなことはとっくに分かってる。
でも、会いたくて会いたくてたまらないんだ。
「行かないと……」
重い体を引き起こし、ドアをひねる。
見慣れているはずの廊下は、なにか違うものに見えた。
階段をおり、玄関へ向かう。
外へ出ると、僕は、目を見張った。
「誰もいない……?」
車1つ通らない、いつも通っている道路。
自分の足音だけが辺りに響き渡る。
僕の家は、かなり人通りの多いところだと思う。
だから、人や車は、よっぽどのことがない限り、あるはずなのに。
「あの、誰かいませんか……!」
そう声を発しても、答えてくれるものは何もない。
僕は一体、なんの世界にいるんだ……?
ずる、と膝から崩れ落ちそうになる。
自分のいる世界がよく分からない。知っている、どこかで見たことがあるはずなのに。
世界に自分の存在を否定された気分だ。
「うっ……」
無意識に体中から力が抜け、膝から崩れ落ちる。
思わず目をつむると、後ろで懐かしい声がした。
「……伊吹っ!」
この声は……玲央?
今までお前、どこにいたんだよ。
そう聞きたいのを抑え、なんとか体を起こす。
「玲央……お前、いつから」
「それはこっちのセリフだ。俺だって、気づいたら自分の家にいて……。
誰もいなかったから、とりあえず伊吹の家に行ってみようってなって、来たんだからな」
一番家が近いからな、と言い、後頭部を乱雑にかき乱す。
「へー、そっか」
……少しだけ、玲央が僕のことを頼ってくれているような気がして、嬉しかった。
今さらすぎるが、僕の玲央に対する態度は悪かったと思う。
今更思っても無駄なんだけれど。
「他の人は誰かいた?」
「いや、