一人だけの、友達。



_慌てて携帯を掴もうとしたけど、僕の両手には荷物。



当然、間に合う訳がない。


携帯はポケットから下へと落ちていった。



..少々傷はつくけれど、落ちてしまったものは仕方ない。



僕はゆっくりしゃがんで、落ちた携帯を拾おうとした。



でも...



「...あれ?」



地面に落ちたはずの携帯が見つからない。



確かに落ちたのに...



荷物の袋を見ても、携帯が入っている様子はない。



戸惑いながら、立ち上がってポケットの中を探す。



探す事に気をとられていると...



「..ほら」



横から誰かの腕が伸びている。



伸びた腕を目でたどると、手にはしっかりと僕の携帯が握られていた。



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