一人だけの、友達。








__「希一!起きなさい」


いつものように、母さんの声が聞こえる。



朝..か...



朝になったんだ...



「ん...
おはよう、母さん」



「おはようじゃないわよ!早く支度しなさい!」



「...はい」



母さんはいつも冷たい。



血の繋がった親子なのに、僕の事をちゃんと
見てくれた事なんか一度もない。



もちろん、俺がいじめにあってる事なんか母さんは知らない。



どうせ言っても馬鹿にされるから。



「あのさ、希一」



「...何?」



嫌な予感がする。



母さんの話しといえば、
これまでに何回も聞いているからわかるんだ。



「これ...どうしたの?」



母さんが落書きされた教科書を持って来た。



これは...



その教科書を見た瞬間、
僕は焦った。




この落書きは、クラスの男子に書かれたんだ。



中身は...
『死ね』『消えろ』..



そんな事が書かれていた。


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