一人だけの、友達。



毎朝学校の門の前に立つと、体が重くなる。



だるい。



一歩一歩進んでいくたびに、僕の心は絶望感でいっぱいになる。



今日は何をされるんだろう...



そればかり思う。







「希一が来たぞ!」



教室に入ると、慎吾が仕掛けたバケツの水が体にかかる。



これも毎朝の事。
もう慣れてる。



【大崎 慎吾】は、クラスで1番のいじめっ子。



それなのに、クラスで1番人気がある。



友達なんか、数え切れないほどだ。



_僕にはその理由がわからない。



人をいじめて傷つける。
それは、卑劣な行為なはずなのに。



それを笑って許す友達。
むしろ、その輪に入って人を傷つける。



どうして、そんなに簡単に人を裏切って傷つける事ができるのだろう。



僕は裏切られた事なんか何回もあるけど、やっぱりその人達の考えている事がわからない。




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