【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。

うちの学校に来た時も、短時間で女の子たち心を掴んでいったし。

それにあの日、目にした光景は今でも鮮明に覚えている。


それは海に行ってから数日が経った、ある日のこと。

その日は授業が午前中だけでスーパーのバイトまで時間があった私と、元々テニス部が休みだった新那。

せっかくだからどこかへ遊びに行こうという話になり、前に話題に出た空中庭園へと向かうことになった。


一応、報告のつもりでその話をしたら、なぜか自分も行くと言い出た怜央。

結果、真宙くんを入れた4人で空中庭園へと向かうことになった。


そこで怜央と真宙くん、ライトくんが幼なじみだったことや真宙くんには複数の遊び相手がいることを知った。

怜央と2人でいる時は遠巻きにしか見てこない女の子たちが、真宙くんを見つけた途端、束になって寄ってくる。

それはもう、次から次へと。

空中庭園という憩いの場でハーレムを作るその姿はあまりにも異様だった。

そして、真宙くんに興味を持つ人物は私のすぐ目の前にも……。


海に行った日以来、新那があまりにも彼の名前を出すものだから、一度だけ「真宙くんのことが好きなの?」と聞いてみたことがある。

すると、新那は顔を真っ赤にしながら否定した。


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