【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。
「瑠佳ちゃんスマホ鳴ってない?」
「あ、ほんとだ」
新那に言われて鞄を開けると、中で通知を知らせるランプが黄色く点滅していた。
スマホの画面には怜央の名前と“狂猫”から始まるメッセージ。
そのふた文字を目にした瞬間、思わず息を呑んだ。
《狂猫に動きがあった》
《俺は先にチームの奴らと合流する。放課後、冬馬を向かわせるからそれまで瑠佳は学校から出るな》
狂猫が動き出した……。
「蓮見くんから?」
「新那、ごめん。私ちょっと怜央のクラス行ってくる」
確か今日は学校に来ていたはず。
食べかけのおにぎりを置いて急いで怜央のクラスへと向かったが、そこにもう彼の姿はなかった。