【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。
「水瀬さんと仮でも付き合えてラッキー!役得!だから、お金は俺が支払うよ!ってことね」
「そんな言い方はしてねぇ」
「でも、意味は同じだろ?」
ある日、僕らのチームに現れた姫は世間から恐れられていた総長を一瞬にしてただの男子高校生へと変えてしまった。
恋という力によって。
「なんだか櫻子に会いたくなってきたな」
「会いに行ってこいよ」
「まだ授業が残ってるだろ。僕は真面目な委員長だから」
「たまにはサボったっていいんじゃねぇの」
「……それもそうかもね」
この日、僕は幼なじみの悪友に唆されて人生で初めて授業をサボることになる。
僕だけの愛しいお姫様に会いに行くために──。