【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。


前回は足だけしか入れなかった海に怜央と真宙くん、それから新那と私の4人でリベンジしに行こうという話。


皆が私の予定に合わせてくれたというのに、その日はあいにくの雨で結局リベンジは中止となった。


このまま私の夏は終了。……する予定だったのだけれど、昨日の夜、急遽ビッグイベントが舞い込んできた。


私はそのために今日、怜央の家を訪れている。


「……少しは落ち着けよ」

キッチンとリビングを行ったり来たりする私に怜央が呆れた様子で口を開いた。


「怜央にとっては幼なじみが遊びに来るくらいの感覚なんだろうけど、私は違うの」

私が落ち着かない理由。

それは今日この家に櫻子さんがやって来るからだ。

無事に手術を終えて退院した櫻子さんが私に会いたいと言ってくれたのだ。


私もいつか彼女には会いたいと思っていたけれど、まさか夏休み中に会うことになるとは……。

昨夜、怜央から連絡がきたこともあって、まだ心の準備ができていない。




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