【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。
「やっと静かになったね。あ、瑠佳ちゃん一昨日ぶり」
「……あ、えっと、どうも」
「隣の子はお友達?」
真宙くんが私から新那のほうへと視線を移す。
「あ、はい。そうです」
「へー、名前はなんて言うの?俺は真宙」
初対面・男子・暴走族・チャラそう(偏見)。
新那の苦手要素しか詰まってないけど大丈夫かな。
ちゃんと話せるかな。
「お、小川っ……!小川新那です……」
私の腕を掴みながらなんとか自己紹介を済ませた新那。
「新那ちゃんね。おっけー!ところで今日は何の呼び出し?」
「今から瑠佳たちと海に行く。んで、足が足んねーからお前を呼んだ」
「あーなるほど、そういうことね。皆で海ってことは、ちゃんと瑠佳ちゃんにごめんなさいしたんだ?」
「………………」
「もしかしてまだ謝ってないの?ったく、俺のアドバイスは全無視かよ」
真宙くんは一体、何の話をしているのだろう。
謝るってお昼のこと……?
でも、アドバイスって?