【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。
「怜央さ、今日俺に相談の電話かけてきたんだよ。瑠佳ちゃんを怒らせちゃったから、どうすればいいかって」
「……えっ」
「別に相談のつもりでかけてねーよ」
「いやいや、第一声目から瑠佳ちゃんのことだったけど?それに俺がアドバイスしたら『ありがとな真宙。やっぱり俺にはお前しかいない』って言ってたじゃん」
「人の言葉を勝手に捏造すんな」
「俺は手っ取り早く抱いちゃえばって思ったんだけ「その口塞ぐぞ」
「怜央くんのえっちー」
真宙くんはチャラいというよりも全体的に軽くて、見ているこっちが怖い。
というか、怜央にこんな絡み方をするなんて真宙くんってば何者?
いや、それよりも今“抱いちゃえば”って言葉が聞こえた気がするんだけど気のせい??
「さてと。冗談はこのくらいにしておいて、2人に言うことがあるんじゃないの」
さっきまでふざけていた真宙くんが急に真面目なトーンで話し出したものだから、現場は妙な緊張感に包まれた。