【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。


「……瑠佳、それから小川。昼間はキツい言い方して悪かったな」

怜央からの謝罪の言葉に私と新那は思わず顔を見合わせる。

「私は新那にさえ謝ってくれたらそれで十分だから……。こっちこそ雇われの身なのに偉そうなこと言ってごめん。クビにしないでいてくれてありがとう」

「言いたいことを我慢する必要はねぇから、瑠佳はこれからもそのままでいろよ」

「……うん。わかった」

「わ……私は昼間、蓮見くんに言われたことが……その結構胸に刺さって。でも、それは痛いところをつかれたからです。私は蓮見くんに言われた通り自分の意見を瑠佳ちゃんに押し付けてるだけでした」


「小川はまだ納得してないだろうけど、俺は瑠佳を誰よりも大切にするって誓う。だから、そばにいることを許してほしい」


怜央はそう言うと深く頭を下げた。

思いがけない行動に新那だけではなく、隣にいた私も慌てふためく。

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