【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。
「ああああ、頭なんか下げないでください。後が怖いです……!」
動揺からか、本音がこぼれる新那。
「瑠佳ちゃんが蓮見くんのそばにいることを望むのなら、私はもう何も言いません。……ただのバイトじゃなくて、瑠佳ちゃんを大事に思ってくれていることがわかったので。その代わり、絶対、絶対に!瑠佳ちゃんを護って下さい」
「新那……」
「ああ、約束する」
怜央が新那にそう誓った後、パチンと両手を合わせた音が鳴る。
私と怜央、それから新那はたった今手を叩いた真宙くんへと視線を向けた。
「よし!じゃあ仲直りってことで、海行こっか」
こうして海へと向かうことになった私たち4人。
真宙くんとニケツをすることになった新那が心配で、そっと「大丈夫?」と耳打ちをすると「大丈夫だよ。それよりも私、蓮見くんのこと少し誤解してたかも。瑠佳ちゃんってすっごく大切にされてるんだね」なんて言葉が返ってきた。