【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。
「ううん。私はただ、自分の弱さを見せることができなかっただけ。一緒にいて、しんどい人間だって思われたくなかっただけなんだよ」
「私、瑠佳ちゃんと一緒にいてしんどいだなんて思ったことないよ!」
「でも、気は遣うでしょ。本当はもっと行きたい場所や、やりたいことがあるのに私のせいでできないから」
「何それ。私は瑠佳ちゃんと一緒にいられたらそれだけで楽しいし、嬉しいの。瑠佳ちゃんは違ったの?」
新那は他の子が離れていく中でもずっと私と一緒にいてくれた。
わかってる、わかってるんだよ。
でも、
『また瑠佳ちゃんにカラオケ断られた』
『父子家庭で大変らしいから仕方ないよ』
『でも、プリクラも映画もアミューズメントパークもだめ。ファミレスも贅沢だって言ってたらどこも行けないよ』
『もう瑠佳ちゃんは誘わなくてもいいんじゃない?』
皆、小学生の頃は仲の良い友達だった。