主役になれないお姫さま
「もう!お兄ちゃん直ぐに抱きつくのやめてよっ!」
思春期の頃は何処でも構わずに抱きついてくる兄が嫌で嫌で仕方なかった。
いつまで経っても離れそうにない兄を突き放す。
「パパぁ〜!しーちゃんは僕とぎゅうするのっ!」
ひーくんが両手をいっぱいに伸ばして来たので抱き抱える。
すると兄を真似て頬にキスをしてきた。
もう、なんて可愛いのかしら!
我が家にとって日常茶飯事のこの光景を父は呆れていた。
「横谷くん、コイツらは気にせず座ってくれ。詩乃の父、明彦だ。兄の昌也は詩乃が生まれた時からこうでね…。」
「横谷 一真です。こちらは今僕が気に入っている和菓子店のお菓子です。お口に合えば幸いです。」
と言って、紙袋から持ってきた菓子折りを父に渡す。
「おぉ、ありがとう。洋菓子より和菓子が好きでね。嬉しいよ。」
父と一真さんがソファーに座ったので、私も一真さんの隣に座ろうとするが、またここで兄とひーくんが『詩乃はいつも俺の隣だろ?』『しーちゃんは僕の隣だよぉ〜。』と揉めていた。
やれやれだ…。
ほのぼのとした性格の佐知子さんはこの様子を笑顔で見守っている。
きっと、相手が彼女だから兄夫婦はやってあげているのだろう。
「しーちゃん!後で一緒に公園行こ!一緒に来た人もぉ!」
「一真さんはスーツでお洋服汚れちゃうからまた今度来た時ね!」
「えーーっ。」
「詩乃、俺は構わないよ。スーツだって遊べるぞ!光くん、後で一緒に公園に行こう。おじちゃんに公園を案内してくれな!」
「わーい!やったー!」
「大丈夫なの??」
「何が?」
不思議そうに私の顔を見る。
「子どもと遊ぶのが苦手な男性って多いじゃない?結婚とか興味なかったって前に言ってたからてっきり子どもは好きではないのかと…。」
「ああ、そう言うことか。子ども大人も好きか嫌いかはその人によるよ。光くんは好きだよ。」
そう言うと母が入れたお茶をひと口飲んだ。
思春期の頃は何処でも構わずに抱きついてくる兄が嫌で嫌で仕方なかった。
いつまで経っても離れそうにない兄を突き放す。
「パパぁ〜!しーちゃんは僕とぎゅうするのっ!」
ひーくんが両手をいっぱいに伸ばして来たので抱き抱える。
すると兄を真似て頬にキスをしてきた。
もう、なんて可愛いのかしら!
我が家にとって日常茶飯事のこの光景を父は呆れていた。
「横谷くん、コイツらは気にせず座ってくれ。詩乃の父、明彦だ。兄の昌也は詩乃が生まれた時からこうでね…。」
「横谷 一真です。こちらは今僕が気に入っている和菓子店のお菓子です。お口に合えば幸いです。」
と言って、紙袋から持ってきた菓子折りを父に渡す。
「おぉ、ありがとう。洋菓子より和菓子が好きでね。嬉しいよ。」
父と一真さんがソファーに座ったので、私も一真さんの隣に座ろうとするが、またここで兄とひーくんが『詩乃はいつも俺の隣だろ?』『しーちゃんは僕の隣だよぉ〜。』と揉めていた。
やれやれだ…。
ほのぼのとした性格の佐知子さんはこの様子を笑顔で見守っている。
きっと、相手が彼女だから兄夫婦はやってあげているのだろう。
「しーちゃん!後で一緒に公園行こ!一緒に来た人もぉ!」
「一真さんはスーツでお洋服汚れちゃうからまた今度来た時ね!」
「えーーっ。」
「詩乃、俺は構わないよ。スーツだって遊べるぞ!光くん、後で一緒に公園に行こう。おじちゃんに公園を案内してくれな!」
「わーい!やったー!」
「大丈夫なの??」
「何が?」
不思議そうに私の顔を見る。
「子どもと遊ぶのが苦手な男性って多いじゃない?結婚とか興味なかったって前に言ってたからてっきり子どもは好きではないのかと…。」
「ああ、そう言うことか。子ども大人も好きか嫌いかはその人によるよ。光くんは好きだよ。」
そう言うと母が入れたお茶をひと口飲んだ。