主役になれないお姫さま
身勝手な薔薇
『コンコン』と副社長室のドアがノックされた。
「どうぞ。」
松山の返事と同時に秘書の佐藤が慌てて入ってきた。
「お話中失礼します。」
一瞬、俺の方をチラリと見る。
「彼なら構わない、そのまま話を続けて。」
「はい。たった今3階と4階を繋ぐ階段で転落事故がありました。女性社員2名が転落し1名が意識不明で、これから救急車が到着する予定です。」
淡々と事実を伝える。声の良い彼の報告はアナウンサーがニュースを読みあげているようだった。
「詳細は伺えてませんが、落下したのは経理部の山田さんで、その彼女を庇うように営業部の三浦さんが落下しだそうです。」
詩乃の名前が出た瞬間に血の気が引く。
「一真、救急車が来たらお前も一緒に行け。佐藤、頼む。」
「はい。畏まりました。横谷部長代理、急いで参りましょう、まもなく救急車が到着します。」
「ああ、わかった。」
「一真、報告だけもらえればいい。直帰してくれ。」
「助かる。」
一度、荷物を取りに営業部へ戻る。
部長には内線で松山から連絡がしてあった。
「副社長に三浦くんの付き添いを頼まれたそうだな。忙しいのに済まない。」
「いえ、大丈夫です。」
この話ぶりだと俺と詩乃が付き合っているとは聞いていないようだ。
鞄を持ち詩乃が転落した現場へと向かう。
階段にはすでに救急隊が到着しており、先に山田さんは搬送されたようで姿はなかった。
詩乃はちょうど担架に乗せられていた。
「たった今山田さんは佐々木くんに付き添われて運ばれて行きました。意識はありますがお腹が大きいので念のためだそうです。」
野田さんが今の状況を伝えてくれた。
「わかりました。野田さん、彼女には僕が付き添います。業務に戻っていただいて大丈夫です。詳しくは戻ってから教えてください。」
「えっ!?部長代理が付き添いを?」
「はい、彼女とは一緒に住んでます。」
「そっ…そうだったんですね!」
「いつも彼女を気遣っていただいて感謝してます。後で報告を入れますので…。」
「連絡お待ちしてます。」
「すみません!直ぐに救急車にむかいます。付き添うかたは一緒にお願いします。」
救急車に乗り込むと直ぐに病院へとサイレンを鳴らし走り出した。
「どうぞ。」
松山の返事と同時に秘書の佐藤が慌てて入ってきた。
「お話中失礼します。」
一瞬、俺の方をチラリと見る。
「彼なら構わない、そのまま話を続けて。」
「はい。たった今3階と4階を繋ぐ階段で転落事故がありました。女性社員2名が転落し1名が意識不明で、これから救急車が到着する予定です。」
淡々と事実を伝える。声の良い彼の報告はアナウンサーがニュースを読みあげているようだった。
「詳細は伺えてませんが、落下したのは経理部の山田さんで、その彼女を庇うように営業部の三浦さんが落下しだそうです。」
詩乃の名前が出た瞬間に血の気が引く。
「一真、救急車が来たらお前も一緒に行け。佐藤、頼む。」
「はい。畏まりました。横谷部長代理、急いで参りましょう、まもなく救急車が到着します。」
「ああ、わかった。」
「一真、報告だけもらえればいい。直帰してくれ。」
「助かる。」
一度、荷物を取りに営業部へ戻る。
部長には内線で松山から連絡がしてあった。
「副社長に三浦くんの付き添いを頼まれたそうだな。忙しいのに済まない。」
「いえ、大丈夫です。」
この話ぶりだと俺と詩乃が付き合っているとは聞いていないようだ。
鞄を持ち詩乃が転落した現場へと向かう。
階段にはすでに救急隊が到着しており、先に山田さんは搬送されたようで姿はなかった。
詩乃はちょうど担架に乗せられていた。
「たった今山田さんは佐々木くんに付き添われて運ばれて行きました。意識はありますがお腹が大きいので念のためだそうです。」
野田さんが今の状況を伝えてくれた。
「わかりました。野田さん、彼女には僕が付き添います。業務に戻っていただいて大丈夫です。詳しくは戻ってから教えてください。」
「えっ!?部長代理が付き添いを?」
「はい、彼女とは一緒に住んでます。」
「そっ…そうだったんですね!」
「いつも彼女を気遣っていただいて感謝してます。後で報告を入れますので…。」
「連絡お待ちしてます。」
「すみません!直ぐに救急車にむかいます。付き添うかたは一緒にお願いします。」
救急車に乗り込むと直ぐに病院へとサイレンを鳴らし走り出した。