主役になれないお姫さま
程よく皆んなのお腹が膨れたころ、頬を赤くしたやっちんが秋吉くんに絡み始めた。
「秋吉〜、何で誰にも何も言わずに海外なんて遠くに引っ越したんだよー!俺、めちゃくちゃ悲しかったんだからなー!」
秋吉くんの肩に手を回し横に揺さぶった。
「もぉー、これじゃあ、ただの酔っぱらいじゃーん!村瀬!やっちん回収してぇ〜。」
南美ちゃんが止めはいったが、やっちんはお構いなしに詰め寄った。
「お前の家に泊めてもらえれば、飛行機代だけで海外旅行ができたんだぞっ!!なのに、誰にも連絡先を教えねーでよー!この、薄情者!!」
「やっちんは淋しかったんじゃなくて、秋吉ホテルが本命かよっ!」
村瀬くんにツッコミを入れられると、まわりのみんながどっと笑った。
「やっちん、俺だってみんなのとの別れは寂しかったぞー!」
秋吉くんはやっちんの肩を掴むと仕返しの様に揺さぶった。
それを見てまた皆んなが笑った。
「俺さー、あの時、実はすっごく好きな子がいてさー。誰かに『さよならの挨拶』をしたら、その子にも2度と会えなくなってしまう気がして、どうしたら良いのか分からず悩んでるうちに引越しの日になってたんだ…。」
「何だその青春の1ページみたいな思い出!」
「素敵じゃなーい!」
村瀬くんと南美ちゃんが食い付いた。
…秋吉くん、そんなに好きな子がいたんだ。
当時はよく2人で買い物に行ったり、映画を見に行ったりしていたので、もしかしたら両思いなんじゃないかと、勢い余って告白しようとしたことがあったが、今の話を聞いて告白しなくて良かったと思った。
嫌われてはいないと思っていたが『すっごく好き』の対象かどうかとなると、秋吉くんからはそこまで思われていなかったと思う。
「中学生なんて親が転勤ってなったら黙ってついて行くしか選択肢がないからさー、ささやかな願掛けだよー。」
そう言うと、秋吉くんはチラッと私を見た。
そう言えば、こないだ応接室でもそんな願掛けの話しをしてた気がする…。私たちと一生会えなくなるのが寂しいと言うより、その子とまた会える様にとの願いだったのね。
「それで、その後、好きだった子には会えたの?」
何となく気になって聞いてみる。
秋吉くんはほんの一瞬だけ少し驚いた様な顔をして見せた。
「会えたよ。と言うより正確には会いに行った。」
…わざわざ会いに行ったんだ。
「それで?2人はどうなったのぉ???」
南美ちゃんの好奇心が暴走してしまっている。
「想像以上に可愛くなってて、見た瞬間、心臓が止まるかと思った。」
「きゃー!何そのセリフ!言われてみたぁ〜い!」
「もぉー、南美ちゃんってば興奮しすぎたよー!それじゃあ、秋吉くんは今はその女の子と付き合ってるの?」
「んー…。残念ながらまだフリーなんだ。コレから頑張るところ。」
「そうなんだ。長い間好きだった彼女と結ばれると良いね!」
「詩乃ちゃんがそう言うなら、オレ、めっちゃ頑張るけどいい?」
「何言ってるのよ、秋吉くんが頑張るのに私の許可なんて不要じゃん!」
「あはは、そうだね。オレ、頑張るわ〜
。」
「そうだー!がんばれー!そしてオレみたいに幸せな家庭を築け!」
「やっちんの家庭で幸せなのはやっちんだけじゃ無いのー??こんな旦那じゃ奥さん大変そぉ〜。」
南美ちゃんの言葉にさらに笑いが湧いた。
「秋吉〜、何で誰にも何も言わずに海外なんて遠くに引っ越したんだよー!俺、めちゃくちゃ悲しかったんだからなー!」
秋吉くんの肩に手を回し横に揺さぶった。
「もぉー、これじゃあ、ただの酔っぱらいじゃーん!村瀬!やっちん回収してぇ〜。」
南美ちゃんが止めはいったが、やっちんはお構いなしに詰め寄った。
「お前の家に泊めてもらえれば、飛行機代だけで海外旅行ができたんだぞっ!!なのに、誰にも連絡先を教えねーでよー!この、薄情者!!」
「やっちんは淋しかったんじゃなくて、秋吉ホテルが本命かよっ!」
村瀬くんにツッコミを入れられると、まわりのみんながどっと笑った。
「やっちん、俺だってみんなのとの別れは寂しかったぞー!」
秋吉くんはやっちんの肩を掴むと仕返しの様に揺さぶった。
それを見てまた皆んなが笑った。
「俺さー、あの時、実はすっごく好きな子がいてさー。誰かに『さよならの挨拶』をしたら、その子にも2度と会えなくなってしまう気がして、どうしたら良いのか分からず悩んでるうちに引越しの日になってたんだ…。」
「何だその青春の1ページみたいな思い出!」
「素敵じゃなーい!」
村瀬くんと南美ちゃんが食い付いた。
…秋吉くん、そんなに好きな子がいたんだ。
当時はよく2人で買い物に行ったり、映画を見に行ったりしていたので、もしかしたら両思いなんじゃないかと、勢い余って告白しようとしたことがあったが、今の話を聞いて告白しなくて良かったと思った。
嫌われてはいないと思っていたが『すっごく好き』の対象かどうかとなると、秋吉くんからはそこまで思われていなかったと思う。
「中学生なんて親が転勤ってなったら黙ってついて行くしか選択肢がないからさー、ささやかな願掛けだよー。」
そう言うと、秋吉くんはチラッと私を見た。
そう言えば、こないだ応接室でもそんな願掛けの話しをしてた気がする…。私たちと一生会えなくなるのが寂しいと言うより、その子とまた会える様にとの願いだったのね。
「それで、その後、好きだった子には会えたの?」
何となく気になって聞いてみる。
秋吉くんはほんの一瞬だけ少し驚いた様な顔をして見せた。
「会えたよ。と言うより正確には会いに行った。」
…わざわざ会いに行ったんだ。
「それで?2人はどうなったのぉ???」
南美ちゃんの好奇心が暴走してしまっている。
「想像以上に可愛くなってて、見た瞬間、心臓が止まるかと思った。」
「きゃー!何そのセリフ!言われてみたぁ〜い!」
「もぉー、南美ちゃんってば興奮しすぎたよー!それじゃあ、秋吉くんは今はその女の子と付き合ってるの?」
「んー…。残念ながらまだフリーなんだ。コレから頑張るところ。」
「そうなんだ。長い間好きだった彼女と結ばれると良いね!」
「詩乃ちゃんがそう言うなら、オレ、めっちゃ頑張るけどいい?」
「何言ってるのよ、秋吉くんが頑張るのに私の許可なんて不要じゃん!」
「あはは、そうだね。オレ、頑張るわ〜
。」
「そうだー!がんばれー!そしてオレみたいに幸せな家庭を築け!」
「やっちんの家庭で幸せなのはやっちんだけじゃ無いのー??こんな旦那じゃ奥さん大変そぉ〜。」
南美ちゃんの言葉にさらに笑いが湧いた。