主役になれないお姫さま
「ただいまー。」
リビングへのドアを開くと一真さんはソファーに座ってビールを飲みながら映画を見ていた。
「お帰り。そんなに飲まなかったみたいだね。」
「うん、酔っ払わないように気をつけながら飲んでた。何でわかったの??」
「はは。初めて会った日は呂律が回らず会話にならなかった。一緒に飲むか?」
と、飲んでいたビール缶を持ち上げてみせた。
「あー…。うん、そうしようかな…。」
冷蔵庫からビールを取り出して乾杯をした。
「どうだった?バーベキューは。」
「楽しかったよ。みんな立派な大人になってた…。」
「それだけ?」
「子持ちの友達はキャンプとかよく行くみたいで、炭を起こすのに手慣れてて凄いなーって思ったよ。」
「そうだよなー、詩乃の年齢になると子持ちが増えるもんなー。オレの歳になるとバツイチが増え始めるが…。」
「一真さんもバツイチだもんねー。うふふ。」
「別にそういう意味で言ったんじゃ…。アレはオレの黒歴史だ。詩乃にも迷惑かけてしまったし…。」
「大丈夫、ちゃんとわかってるって!」
「あいつも来たんだろ?グローバル・ムーンの新しい担当者。」
グローバル・ムーンとは秋吉くんが勤めている会社の名前だ。
「うん、彼にみんなを会わせるための会だからね!昔から人気者だったからみんなも喜んでたよ。」
まさか帰り際に告白されたなんて話せなかった…。
ちゃんと付き合っている人がいると断ったのに諦めては貰えず、頑張るって宣言までされてしまった。また、この間のように職場で顔を合わす事もあるかもしれない…。
…どうしよう。
まぁ、ここで今悩んでも仕方がない。缶ビールの残りを一気に飲み干した。
「…何かあったのか?」
「え?」
「いや…。一瞬、困ったような表情に見えたから。」
「何もないよ?一真さんったら心配症なんだから…。」
「そうか…。まぁ、今後もそうだが言いたくない事があれば無理に話さなくていい。ただ、俺はいつでも詩乃を想っているし、味方である事を忘れるな。詩乃は自分の幸せだけを考えろ。後は俺が何とかするさ。」
「一真さん…。」
一真さんはビールを飲み干すと私が空けた空き缶と自分のを持ってゴミ箱があるキッチンへと向かった。
「夕飯どうする?俺は適当に夕方から摘んでたからそんなに腹減ってないんだ。」
「私もバーベキューで沢山食べたからそんなには…。」
「それなら、このまま、軽くつまみ作って、まったりとしようか。」
「そうね。それで充分だわ。」
2人でキッチンに並び、お酒のおつまみを用意した。そして、新しく冷えたビールを持ってソファーへ座る。
「詩乃。」
「何?」
「愛してる。」
真剣な目をして改めて言われると恥ずかしくなった。
「耳まで真っ赤な詩乃も可愛いな。」
「私だって一真さんのこと愛してるわ。」
じゃれ合うように軽いキスをしていたはずなのに、自然とお互いを求め合い衣類と呼吸が乱れ始め、首筋にチクリと痛みを感じると赤く一真さんの印が付けられていた。
リビングへのドアを開くと一真さんはソファーに座ってビールを飲みながら映画を見ていた。
「お帰り。そんなに飲まなかったみたいだね。」
「うん、酔っ払わないように気をつけながら飲んでた。何でわかったの??」
「はは。初めて会った日は呂律が回らず会話にならなかった。一緒に飲むか?」
と、飲んでいたビール缶を持ち上げてみせた。
「あー…。うん、そうしようかな…。」
冷蔵庫からビールを取り出して乾杯をした。
「どうだった?バーベキューは。」
「楽しかったよ。みんな立派な大人になってた…。」
「それだけ?」
「子持ちの友達はキャンプとかよく行くみたいで、炭を起こすのに手慣れてて凄いなーって思ったよ。」
「そうだよなー、詩乃の年齢になると子持ちが増えるもんなー。オレの歳になるとバツイチが増え始めるが…。」
「一真さんもバツイチだもんねー。うふふ。」
「別にそういう意味で言ったんじゃ…。アレはオレの黒歴史だ。詩乃にも迷惑かけてしまったし…。」
「大丈夫、ちゃんとわかってるって!」
「あいつも来たんだろ?グローバル・ムーンの新しい担当者。」
グローバル・ムーンとは秋吉くんが勤めている会社の名前だ。
「うん、彼にみんなを会わせるための会だからね!昔から人気者だったからみんなも喜んでたよ。」
まさか帰り際に告白されたなんて話せなかった…。
ちゃんと付き合っている人がいると断ったのに諦めては貰えず、頑張るって宣言までされてしまった。また、この間のように職場で顔を合わす事もあるかもしれない…。
…どうしよう。
まぁ、ここで今悩んでも仕方がない。缶ビールの残りを一気に飲み干した。
「…何かあったのか?」
「え?」
「いや…。一瞬、困ったような表情に見えたから。」
「何もないよ?一真さんったら心配症なんだから…。」
「そうか…。まぁ、今後もそうだが言いたくない事があれば無理に話さなくていい。ただ、俺はいつでも詩乃を想っているし、味方である事を忘れるな。詩乃は自分の幸せだけを考えろ。後は俺が何とかするさ。」
「一真さん…。」
一真さんはビールを飲み干すと私が空けた空き缶と自分のを持ってゴミ箱があるキッチンへと向かった。
「夕飯どうする?俺は適当に夕方から摘んでたからそんなに腹減ってないんだ。」
「私もバーベキューで沢山食べたからそんなには…。」
「それなら、このまま、軽くつまみ作って、まったりとしようか。」
「そうね。それで充分だわ。」
2人でキッチンに並び、お酒のおつまみを用意した。そして、新しく冷えたビールを持ってソファーへ座る。
「詩乃。」
「何?」
「愛してる。」
真剣な目をして改めて言われると恥ずかしくなった。
「耳まで真っ赤な詩乃も可愛いな。」
「私だって一真さんのこと愛してるわ。」
じゃれ合うように軽いキスをしていたはずなのに、自然とお互いを求め合い衣類と呼吸が乱れ始め、首筋にチクリと痛みを感じると赤く一真さんの印が付けられていた。