世界を救うために奮闘するお話
「さて、話はこれくらいにして
リコットそろそろはじめようか。
準備はいいか?」

と、ルシウスが
腕をグルグルと大きく回し
指をボキボキと鳴らした。

剣を片手で軽く握ると

よしっ、どこからでも
かかってこい!とニヤリとする。

リコットも剣を構えると
お願いしますッ!と
向かって行った

ルシウスの剣技は
力強いだけではなく美しい。

リコットの剣は軽くいなされ
全く有効打を出せない。

でも良い時は褒めてくれ
悪い時はこうしろと

実戦の中で
身体を使って教えてくれる。

はぁ、思わずため息が出ますわ。

ルシウス様って
本当に素敵だわー

強くて

逞しくて

優しくて

格好良くて

わたくしの騎士としての能力は
一般の騎士団の騎士よりは上ですが
ルシウス様に半分の力も出させる事は
出来ません。

その証拠にルシウス様を
全く動かす事ができません。

シールドを屈指するとなんとか
半分くらいの力を引き出せる事が
出来ます。

それでも軽くいなされてしまいます。

はぁ、憧れてしまいます。
本当に。

幼い時からの知り合いじゃなかったら
あっという間に恋してしまってますわ。

今でも気を抜くと
すぐに恋に落ちてしまいそうになります。

ただ、ルシウス様は
大変高貴な方でいらっしゃるから
軽はずみに好意を抱いてはいけない
お相手。

自重して
集中しないと…

あっ!!

一瞬の隙で間合いに入ってきた
ルシウスはリコットの剣を弾き飛ばした。

「ほれ、リコット。
集中っ!!」

「すみません、ルシウス様
あまりに素敵で見惚れてしまいました!」

リコットが素直に口に出すものだから
ルシウスは一瞬顔を赤らめ

「俺はいつも見惚れているがな。笑」

と、サラッと返す

「えっ!」

今度はリコットが顔を赤らめると
ルシウスがリコットの頬を撫でようと
手を出した所に

リチャードがすかさず

「殿下…
お戯れがすぎます。」

と、わざと公式の場での
言葉遣いでルシウスを嗜めると

リコットとルシウスの間に

どっかぁ〜ん 

雷鳴を轟かせた。
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