世界を救うために奮闘するお話
ブライト男爵は終始笑顔を絶やさず
3人の顔を見回しながら

「このような素敵な王子様方が
それぞれの貴国を支えているだなんて
国も安泰でおりますな。帝国の宝とは
貴方様方の事でございます。」

と、更にゴマをする。

そして、、、
「今宵は我が娘をお目通りさせてもよろしいでしょうか?とても気立ての良い娘でありますので、貴方様方の伴侶の候補に挙げて頂けたらと思います」

と、目上の者に対して失礼極まりなく
いやらしい表情を浮かべた。

その表情を見て
一瞬で嫌な気持ちがわいてきた。

自分の娘をなんだと思っているんだ?
と、憤りさえ感じてきた。
途端にルシウス、リチャード
ローハンの目は凍りついた。

ましてや、ローハンは皇帝の娘の婚約者で
ルーシアが成人したのと同時に国中の者に
公表されているのである。

ブライトはそれを完全に無視し
ルシウスの許可なく従者を呼びつけると
その従者を走らせて、娘を呼びに行かせた。

すると、間もなく
ピンクの髪色に腰まであるフワフワの
ロングヘアーに、身体の線がクッキリとわかる
黒と赤のロングドレスに身を包み、妖艶の出立ちの女性が姿を現した。下半身には大きなスリットが入っていて、胸は溢れそうなほど強調されていた。

その娘が3人の前に躍り出ると
パーッと顔を赤らめてニッコリすると。

「ルシウス殿下、リチャード殿下
ローハン殿下にお目にかかります。
わたくし、ピーチパティ・ブライトと
申します。」
と、淑女の礼をした。

「うむ、表を上げよ、、
あいにく、本日はそのようなよこしまな
気持ちで出席した次第ではない事だけを申し上げよう。だが、招待を受けた事は感謝致す」
と、ルシウスがピーチパティを気遣いつつ
ブライトを軽く嗜める。
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