世界を救うために奮闘するお話

『紡がられる証の書』

ローハンが手を触れると、頭の中で走馬灯のように凄いスピードでこれまでの自分の人生が映像として頭に入ってきた。

2人が言うように、どの時代でもローハンはローハンだった。竜に乗り、弓や短剣を扱い、赤い髪に赤い瞳であった。そして、1度だけバグのような事が起き、他の身分で生まれたが、それ以外は全てジグンの王の子として生を受けた。

自分の魂はずっと自分のモノだった。
自分が存在するために受け継がれるようだ。
違う事と言ったら顔つきや兄弟の数、名前くらいのものだ。

ローハンはいつも青い髪で黒い瞳を持った美しい女性と結婚し、子を成した。
生まれる子はどちらかの特徴を持って生まれた。そして、その生まれる子もまた、自分だけの魂を持って生まれるようだ。

すると、頭の中の映像が緩やかになっていき、今の自分が生まれた。お馴染みの顔ぶれ、リコットと過ごした学生時代、そしてこの本を手に触れた所で映像が途切れた、、、、。

そして、ローハンは顔を上げた。
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