復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~

マキ、宰相に謝罪を強要される

 結局、ウオーレンはウイリアムとトリスタンといっしょに本営に行ってしまった。

 とはいえ、彼が軍を率いて国境に向かうことはまずないだろうという。

 宰相たちが外交で決着(カタ)をつけるはず。でも、なにが起こるかわからないのが世の常。

 念のため、今日一日は様子をみるらしい。

 というわけで、今日は一日中一人ですごすことになった。

 あれをしよう、これをしようといろいろ考えたい。

 まずは、ローズのところに行かなきゃ。ストームは、ウオーレンが乗って行ってしまった。
 彼女も一人で、ではなく一頭で退屈しているかもしれない。

 彼女を馬場で遊ばせている間に、馬房の掃除ね。

 それからブラッシングをして、馬場で乗馬をしようかしら。

 それから、遅い昼食ね。ウオーレンが出て行く前、今朝の残り物があるって言っていたわね。だったら、適当につまめばいい。

 そうそう。美味しい湧き水を汲みに行こう。

 それから読書かしらね。

 などと考えていると、エントランスの重厚な扉が叩かれているような音がきこえてきた。

 出てみると、もといた宮殿で皇族の侍従をしている男性が立っている。

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