復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~
 ウオーレンは、どれだけ忌み嫌われていようと皇子の一人であり将軍。しかも、民衆から絶大な人気を博している「救国の英雄」。

 それなのに、暗殺を試みている?

 そういえば、暗殺されそうなウオーレン自身日常差何時的に命を狙われていると言っていた。

 そうなのね。その中の一人が、宰相というわけね。

 封筒にも書面にも、ご丁寧にピアリング公爵家のものらしいバラの紋章まで入っている。

 というか、彼ってスピアリングっていうのね。しかも、公爵? バラの紋章?

 毛のない魔獣をモチーフにした方が、ずっと彼らしい気がするのだけれど。

 まぁ、そんなことはどうでもいいわね。

 問題は、黒幕よ。

 宰相ったら、まさかほんとうに黒幕の名を記してくれるなんて。

 彼、ナイスすぎるわ。

 きっと、わたしが義理堅くて真面目で信頼出来るレディであると信じきっているのね。

 さすがね、わたし。
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