復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~

いよいよ、ね。

 ウオーレンとわたしは葡萄ジュースを、宰相は葡萄酒を飲んでいる。

 居間のローテーブルの上には、チーズやクラッカー、クッキーやチョコレートが並んでいる。

 ウオーレンとわたしが並んで座り、宰相はローテーブルの向こう側に座っている。

 ウイリアムとトリスタンは、少し離れた椅子に座って葡萄ジュースを飲んでいる。

 話の内容はつまらないものばかり。

 それこそ、どうでもいいことばかりである。あまりにもどうでもいいことばかりで、ちつい欠伸が出てしまいそうになる。それを、必死でガマンしなければならない。

 一杯目を飲み終えた。

 ウオーレンは、お酒が得意ではない。公の場では、飲んでいるふりをしている。

 だけど、今夜は公ではない。だから、葡萄酒ではなくジュースを飲んでいる。

 宰相は、どことなく落ち着きがない。

 もっとも、それはわたしにもいえることだけれども。

 宰相は、心ここにあらずといった感じでウオーレンとくだらない会話をかわしている。

 そろそろ頃合いよね。
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