復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~
「ウオーレン様。先日、ウオーレン様が他国の商人からお買い求めになった葡萄ジュースをお持ちしました。せっかくですから、宰相閣下とウイリアムさんとトリスタンさんとわたしは、葡萄酒をいただくことにしました。よろしいですよね?」

 ウオーレンに葡萄ジュースを手渡しながら告げると、銀仮面が右に傾いた。

「マキ。きみは、葡萄酒というか酒が苦手なのではなかったのか?」
「ウオーレン様、イヤですわ。侍女ゆえに遠慮しているだけです。お酒は嫌いではありません。飲む機会があまりないだけです」

 ほんとうは違う理由だけど、こういう理由の方がスムーズよね。
< 125 / 158 >

この作品をシェア

pagetop