復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~

信じられないわ

「さて、もっと話をしたいところだが、宰相のことで呼び出しをくらっておる。引退して久しい老体なのにな」

 メイナードはそう言ってから立ち上がった。

 昨夜、宰相はウイリアムやトリスタンによって連行された。宰相が連れていた私兵たちは、ウオーレンの部下たちによって制圧されたのである。

 昨夜ここにやって来た侍従兵たちは、ほんとうは超一流の工作兵たちだった。

「じつは、ウオーレンに皇太子の話がある。いまの皇太子がクズだから、ウオーレンがというわけだ。だが、欲も野心もないウオーレンは拒み続けている」
義父(ちち)|上、おれはそんな器では……」

 ウオーレン言いかけ、黙り込んだ。

 そんな話があることじたい驚きだわ。

 二人の間で、ずっと揉めているのかもしれない。何十回、何百回と言い合いになっているのでしょう。
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