復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~
 銀仮面をつけていないウオーレンの美しい顔には、笑みはなく真剣さが漂っている。

「わたし、ですか? うーん。どうでしょうか。馬ってうしろからですよね? 慣れるまで練習が必要かもしれません。ですが、慣れたら癖になるかも」 

 んんんんんん?

 わたし、なにか違っていないかしら?

「……。ああ、なるほど。そうなのか」

 彼の美貌に、悲し気な表情が浮かんだ。

「あきらめないぞ」

 彼はつぶやくと、彼が勢いよく立ち上がった。こちらへまわってきて、わたしをひょいと抱えた。

 お姫様抱っこですって?

 一瞬にして、お姫様抱っこされていた。
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