復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~

翌朝? 目覚めたら

「フゴゴゴッ!」

 自分のイビキで目が覚めてしまった。

 陽光が痛いほど客間に満ち溢れている。

 テラス側のガラス扉のカーテンを閉め忘れていた。というよりか、昨夜はこの部屋に戻ってくるなり寝台の上に倒れてしまった。いつかはわからないけれど寒さで気がつき、ペタンコ靴を脱いでそのまま寝具に潜り込んだ。

 いま、朝かしら?

 起き上がりたいと思っている反面、このままゴロゴロだらだらしたいという思いもある。

「グルルルルルル」

 嘘っ! 昨夜、あれだけ食べたのに、もうお腹の虫が空腹を訴えているわけ?

 あ、そうよね。これは、腸が動いている音よね。

「グロロロロロロ」

 すさまじい音に、おもわすま眉間に皺を寄せてしまう。

「わかったわよ、もう。腸の音ではなくってお腹の虫の音ね。起きればいいんでしょう?」

 起き上がって寝台から飛び降りた。

 素足のままガラス扉に近づいてみた。

 それから、両手で扉を押し開けた。

 さわやかな微風が頬にあたり、穏やかな陽光が全身に降り注ぐ。

 気持ちのいい日ね。

 太陽の位置で、まだ朝だと確認した。

 よかったわ。もう少しで休みの日のあるあるになるところだった。

 毎日を全力で生きているわたしは、休みになると反動が出てしまう。

< 31 / 158 >

この作品をシェア

pagetop