復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~
「その分では、寝台の寝心地はまずまずというところかな?」
「ああ、それはどうでしょうか。わたしってば、どこででもすぐに眠ることが出来るのです。堅い地面だろうと床だろうと、どんなところでもです。ですので、寝台の寝心地は関係ありません」

 にこやかに応じた。すると、彼はしばらく黙りこんだ。

 陽光が銀仮面をピカピカとムダに光らせている。

「そうか」

 しばらくしてから、彼は一言だけつぶやいた。

 んんんんん?

 なにか気分を害するようなことを言ったかしら?

「まあいい。サンドイッチを作っている。持ってこようか? こんな日は、屋内で食うより外で食った方が美味く感じるだろう」
「いいえ、結構です。自分で取りに行って、適当な場所で食べます」

 食べ物につられるわけではないけれど、せっかく準備してくれているのなら食べなくては。

 だから、素直に食べる旨を伝えた。

 すると、彼はまたしばらく黙りこくってしまった。

「そ、そうか。だったら、食堂に置いてある。食ったら、厨房や洗濯場、図書室などを案内しよう」
「あ、それも大丈夫です。自分で探検しますから。とくに行ってはいけないとか、入ってはいけないところや部屋はありませんか?」

 はやくサンドイッチをゲットして頬張りたい。

 サンドイッチときいたら、ますますお腹が減ってきた。

 正直、このままテラスから飛び降りて食堂に突っ走りたい。

 話、はやく終わらないかしら?

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