復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~
古びた宮殿内を探検する
内心では、ウオーレンとの不毛な会話をいますぐにでも打ち切りたい。それなのに、彼はまたしても黙りこくっている。
「あのー、ウオーレン様っ! きいてます?」
「あ、ああ、ああ。行ってはいけない場所や入ってはいけない部屋は、とくにないが……」
「でしたら、これで失礼します」
手すりから身をはなし、部屋に入ろうとした。
「マキ、待ってくれ」
すると、彼が下から叫んできた。
「なんでしょうか? すぐにでも食堂に行ってサンドイッチをゲットしたいのですけど」
仕方がないので手すりまで戻り、そこから身をのりだした。
「い、いや。やはりいい」
「変なウオーレン様」
上から見おろす彼は、イジイジもじもじしているように見える。
「あ、そ、そうだ。おれは、ここで庭仕事をしている。何かあったら呼んでくれ」
「たぶんないと思いますけど、了解しました」
今度こそサンドイッチにありつける。
どんなサンドイッチかしら。具は何かしら。
そんなことを考えると、力いっぱい笑顔になる。彼にもお裾分けのつもりでそれを振りまいてみた。
そして、笑顔のままで室内に入った。
「マキッ、待ってくれ。おれの話を……」
ウオーレンが何か叫んでいるみたいだけど、すでに心はサンドイッチに占領されている。
サンドイッチにくらべれば、彼なんてどうでもいいわよね。
「あのー、ウオーレン様っ! きいてます?」
「あ、ああ、ああ。行ってはいけない場所や入ってはいけない部屋は、とくにないが……」
「でしたら、これで失礼します」
手すりから身をはなし、部屋に入ろうとした。
「マキ、待ってくれ」
すると、彼が下から叫んできた。
「なんでしょうか? すぐにでも食堂に行ってサンドイッチをゲットしたいのですけど」
仕方がないので手すりまで戻り、そこから身をのりだした。
「い、いや。やはりいい」
「変なウオーレン様」
上から見おろす彼は、イジイジもじもじしているように見える。
「あ、そ、そうだ。おれは、ここで庭仕事をしている。何かあったら呼んでくれ」
「たぶんないと思いますけど、了解しました」
今度こそサンドイッチにありつける。
どんなサンドイッチかしら。具は何かしら。
そんなことを考えると、力いっぱい笑顔になる。彼にもお裾分けのつもりでそれを振りまいてみた。
そして、笑顔のままで室内に入った。
「マキッ、待ってくれ。おれの話を……」
ウオーレンが何か叫んでいるみたいだけど、すでに心はサンドイッチに占領されている。
サンドイッチにくらべれば、彼なんてどうでもいいわよね。