復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~
 生きててよかった。

 クルクルまわりながら部屋に入った。

 階下からウオーレンの耳障りなソプラノボイスが上ってくるけれど、気にしない気にしない。

 すでにストームとのデートしか頭にないわ。

 ウオーレンが準備してくれた乗馬服は、サイズ感は残念だった。だけど、裾も袖も不思議とピッタリだった。手直ししてくれたって言っていたけれど、あの図体で針仕事をしたのかしらね?

 チクチク縫っているところを想像すると、めちゃくちゃ笑えてくる。しかも、縫い目がちゃんとしている。波縫いすらまっすぐに出来ないわたしに比べ、器用であることは認めざるを得ない。

 それから、ズボンのアレのところがボタンはついているけれど開くようになっていてちょっと残念よね。

 まぁ、どうせわたしが着用するのだし、気にしない気にしない。

 というわけで、着用してさっさと階下に降りた。

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