復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~
 朝食は、フワッフワのパンケーキを五枚いただいた。

 生クリームとブラックベリーのジャム、それからハチミツをつけたら最高だった。それと、ヤギのミルクのヨーグルト。これは、柑橘類のジャムで楽しんだ。ヨーグルトも三杯おかわりをした。

 それから、乗馬の練習をすることになった。

 乗り方から教えてもらった。

 ウオーレンがわたしをひょいと持ち上げてくれ、ストームにさっそうと跨った。

「最高っ! 将軍になった気分だわ」

 ストームの背から見える景色は、なんとも表現のしようもなく素敵である。まるで自分がこの世の王になった気にさせてくれる。

「そうだな。態度は将軍も顔負けだ」
「なにか言いましたか?」

 ストームの手綱を握っているウオーレンがなにかつぶやいた。

「い、いや。そうだろうとも。馬上から見る景色は一味違う」
「人を殺すときもですか?」

 彼と視線が合った。

 つい尋ねてみたくなった。

 が、銀仮面がプイと横を向いた。

 罪悪感から? それとも、なんとも思っていないから?

 さらに言い募ろうとしたけれどやめておいた。

 ストームとのせっかくのデートを、ウオーレンに邪魔をされたくないから。

 それから、何事もなかったかのように歩き方や軽く駆ける方法を習った。

 ウオーレンは「学べ」とエラソーに言ったけれど、それだけのものはあった。彼は、意外と教え方がうまい。というよりか、ストームの乗せ方がうまいのかもしれない。
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