復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~
 ひどすぎるわ。泣きまくった末路は、悲惨としかいいようがない。だけど、だれかに見せるわけではない。

 まあ、いいか。

 そう結論付けた。

 そして、身支度をした。

 昨日買ってもらった服は、お直しの為手元にない。だから、自分のを着ることにした。

 身支度が終ると、ハタと考えた。

 ウオーレンにどんな顔をして会えばいいの?

 そんなふうに。

 どう控えめにいっても気まずすぎる。

 ううっ。わたし、どうすればいい?

 ガラス扉に近づくと、階下の庭をこっそり見てみた。

 もしかしたら、ウオーレンがいるかもしれない。

 ダメ。ここからでは見えないわ。

 テラスに出てみないと。

 というわけで、まるで泥棒か暗殺者みたいにコソコソとテラスへ足を踏み出した。
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