微妙にHではない恋愛@異文化交流物語・魔法の恋の行方シリーズ7・アラゴンとアクア
大アラゴンは、TVのリモコンで、スイッチを消すと
「15年ほど前に、一度、立ち消えになったが、
フェアリー領をすべてカジノ、ホテル、遊興施設にするという構想だ。
IRってやつだな。
獣人国とか、いろいろな客を呼び込んで、胴元はうちで、がっぽ、がっぽ稼ぐ企画だ」

大アラゴンは、楽しそうに言った。
「お前は、グレインを覚えているか?」

「グレイン伯父さんだよね」
アラゴンはうなずいた。

大アラゴンは、自分のポケットから煙草の箱を取り出し、話を続けた。

「あいつは魔力が少ないくせに、
フェアリーランドは絶対に造らせないって、俺たちに真っ向から、反対したんだ。

それで、すごくもめて、
結局、グレインは勝手にフェアリー領の境に、自分の館をつくってしまった。

そこを拠点に、自分の魔力を全部つぎこんで、大規模な魔力結界を敷いてしまったのだ。

だから、俺たちはフェアリー領に、勝手に、出入りできなくなったという訳だが。
とにかく、あいつは、変わり者で、偏屈な魔男だったからな」


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