微妙にHではない恋愛@異文化交流物語・魔法の恋の行方シリーズ7・アラゴンとアクア
歓迎されない実習生
秘書の子鬼の娘が、ドアの隙間から、顔をのぞかせた。
「アラゴン先生、
教育実習生のことなのですが・・」
「実習生って、なんだ?」
アラゴンはくわえ煙草で、
つまらなそうに、パラパラと雑誌をめくっていた。
ネクタイもシャツもよれっていて、やる気のなさと傲慢さが混ざっている。
「お忘れですか?
フェアリー領から教育実習生来ると、お話しましたよね。
異文化交流事業のプログラムのひとつで、うちが引き受けるって。
アラゴン先生が指導教官ですよ」
秘書の子鬼の女の子は、
白いシャツを目いっぱい開けて、
胸にドラゴンのタトゥーを見せている。
ぴっちりした黒レザーのタイトスカートは、太ももまでスリットが入る。
サキュバスほどの色気はないが、
子鬼なりに、努力しているのはよくわかる。
「今、ご挨拶にいらしているのですが、お通ししてもよいですか?」
「はあ、めんどくせーな」
アラゴンは、余計な仕事が増えたので、
額にしわを寄せて、煙草を灰皿に押し付けた。
コンコン
軽いノックの音。
「失礼します」