朝なけに
「半グレって、俺達もいまいち自覚は無いんだけど。
昔、学生の頃に"和同連合"て不良チーム作って。
高校卒業してから9年くらい経つんだけど、今も俺ら三人が和同連合の幹部で、中が一応リーダー」


「中さんがリーダーなのですか?」


どれくらいの人数の組織かは分からないけど、リーダーなんて凄い!


「なんだかんだ、中が一番強えからな」


ずっと黙っていた千里さんが、そう言う。


「元々は、俺と千里が中学の時に作ったチームなんだよ。
和同連合って」


そう照さんに言われて、気付いた。


和田の"和"に同本の"同"で、和同連合…。
ちょっと安直だな、と思ったけど、中学の時にって言ってたから、
中学生らしいのかもしれない。


「そうやって中学時代は千里と俺ら二人は無敵だったんだけど、
高校で中に会って。
俺ら、中には喧嘩勝てなかったな。
あ、勿論、二人がかりとかせこいことはしてないよ。
俺、千里の順番でサシで中とやって。
と、まあ、そっからなんでか中と仲良くなって、中がチームのリーダーになって」


中さん、そんなに喧嘩が強いんだ。
照さんは細いしそういった感じに言われなければ見えないが、
千里さんは、けっこう逞しいし、見た目ヤクザみたいで凄く強そう。


「そういえば、千里さんのお店で働けって中さん言ってましたよね?
いつからそのお店で働かせて貰えるのでしょうか?」


その私の言葉に、照さんは呆れたような目を向けてくる。
忠告を無視する私に対して。


だって、半グレだとしても、私は中さんに恋に落ちたみたいだから。


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