朝なけに
◇
「美味しい」
そのラーメンは、沢山歩いたかいがあると思うくらい美味しい。
濃厚な豚骨のスープをレンゲで掬い口に含むと、
箸を割りすぐに麺を啜る。
「だろ?
昔、アイツらとよく食いに来てた。
高校の頃から二十歳くらい迄、よく俺らこの辺りで遊んでて」
アイツらは、千里さんと照さんの事だろうな。
この辺り、わりとS町の歓楽街辺りのような雰囲気があるな。
都会の街のど真ん中から外れてはいるが人通りは多い。
まだ時間が早いからかラーメン屋の店内はまだ空席がある。
「遊ぶって、何して遊ぶんですか?」
単純に、何をして遊ぶのか気になる。
「まあ、そこらのクラブで騒いで酒飲んだり…。
喧嘩したり…。
後は、言えない」
高校生からクラブに入り浸り飲酒も喧嘩もダメな行為なのに。
それは言えても、言えない事って…。
かなりの犯罪行為とかだろうか…。
そうやって思っているのが顔に出ていたのだろうか。
「お前、俺にどんな幻想を抱いてんのか知らねぇけど、
俺らが半グレだとか呼ばれてんのは知ってんだろ?」
そう言われた。
「はい…」
「だから、言えないような事もやってる。
まあ、ここ数年は、俺らは大人しくしてるが、グループの下の奴らは色々やってんだろな」
中さんは、半グレグループのリーダー。
その色々やってる人達のリーダーで。
「あの、言えないような事って、どんな事ですか?」
それを知らずに、中さんをこのまま好きだと言うのは違うような気がする。
「お前…」
中さんは呆れたように、息を吐いている。
「教えて下さい。
それを聞いても私の気持ちは変わらないと思います」
ほんの少し、自信はないけど。
「とにかく、ラーメン食ってからでいいだろ?」
そう言われ、それに頷いた。
「美味しい」
そのラーメンは、沢山歩いたかいがあると思うくらい美味しい。
濃厚な豚骨のスープをレンゲで掬い口に含むと、
箸を割りすぐに麺を啜る。
「だろ?
昔、アイツらとよく食いに来てた。
高校の頃から二十歳くらい迄、よく俺らこの辺りで遊んでて」
アイツらは、千里さんと照さんの事だろうな。
この辺り、わりとS町の歓楽街辺りのような雰囲気があるな。
都会の街のど真ん中から外れてはいるが人通りは多い。
まだ時間が早いからかラーメン屋の店内はまだ空席がある。
「遊ぶって、何して遊ぶんですか?」
単純に、何をして遊ぶのか気になる。
「まあ、そこらのクラブで騒いで酒飲んだり…。
喧嘩したり…。
後は、言えない」
高校生からクラブに入り浸り飲酒も喧嘩もダメな行為なのに。
それは言えても、言えない事って…。
かなりの犯罪行為とかだろうか…。
そうやって思っているのが顔に出ていたのだろうか。
「お前、俺にどんな幻想を抱いてんのか知らねぇけど、
俺らが半グレだとか呼ばれてんのは知ってんだろ?」
そう言われた。
「はい…」
「だから、言えないような事もやってる。
まあ、ここ数年は、俺らは大人しくしてるが、グループの下の奴らは色々やってんだろな」
中さんは、半グレグループのリーダー。
その色々やってる人達のリーダーで。
「あの、言えないような事って、どんな事ですか?」
それを知らずに、中さんをこのまま好きだと言うのは違うような気がする。
「お前…」
中さんは呆れたように、息を吐いている。
「教えて下さい。
それを聞いても私の気持ちは変わらないと思います」
ほんの少し、自信はないけど。
「とにかく、ラーメン食ってからでいいだろ?」
そう言われ、それに頷いた。