朝なけに




「今夜、千里達と飲みに行く」


「今夜?」


朝から行為を終え、二人でシャワーを浴びた後、リビングで朝食。
朝食って言っても、夕べコンビニで中さんが買って来た菓子パン。
しかも、中さんは朝は食べないみたいなので、私だけ。


「帰っては来る。
遅くはなるが」


「うん」


「だから、俺が帰って来たらこの部屋に居て欲しい」


「うん」


こうやって私と一緒に居たいと思ってくれる事が、本当に嬉しい。
多分、私の方が好きの気持ちは中さんよりも大きいのだろうけど、それでも寂しい気持ちにならないくらい、中さんは私を側に置いてくれる。



今夜は中さんは遅いので、一度自宅に戻り、掃除等をしよう。
付き合い出して一週間、一度私物を取りに帰っただけなので。


「にしても、俺もそうだけど、お前もちょっと日焼けしたよな?」


隣の中さんは、ティシャツから出てる自分の腕を見た後、同じように私の腕に目を向ける。



「次は、日焼け止め必要だよね」


一昨日の日曜日、中さんとデートとしてこのマンションの近くの大きな自然公園に出掛けた。
芝生の上、レジャーシートを敷いて、私の作ったお弁当を広げて、それを食べたら二人でゴロゴロ寝転んだ。


「だな」 


そう笑う中さんの横顔を見ながら、幸せを噛み締める。
付き合い出して、敬語は辞めろと言われて、少しずつタメ口も安定して来て。
休みの日は、デートしたり。


一昨日のそのデートの時、途中から急に雨が振り出して、二人でびしょ濡れになって、困ったなと笑いながらこのマンションに帰って来た。


首元にある、中さんに貰った星のチャームのネックレスを撫でるように触る。
この人と、ずっと一緒に居たい。


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