朝なけに
◇
「今夜、千里達と飲みに行く」
「今夜?」
朝から行為を終え、二人でシャワーを浴びた後、リビングで朝食。
朝食って言っても、夕べコンビニで中さんが買って来た菓子パン。
しかも、中さんは朝は食べないみたいなので、私だけ。
「帰っては来る。
遅くはなるが」
「うん」
「だから、俺が帰って来たらこの部屋に居て欲しい」
「うん」
こうやって私と一緒に居たいと思ってくれる事が、本当に嬉しい。
多分、私の方が好きの気持ちは中さんよりも大きいのだろうけど、それでも寂しい気持ちにならないくらい、中さんは私を側に置いてくれる。
今夜は中さんは遅いので、一度自宅に戻り、掃除等をしよう。
付き合い出して一週間、一度私物を取りに帰っただけなので。
「にしても、俺もそうだけど、お前もちょっと日焼けしたよな?」
隣の中さんは、ティシャツから出てる自分の腕を見た後、同じように私の腕に目を向ける。
「次は、日焼け止め必要だよね」
一昨日の日曜日、中さんとデートとしてこのマンションの近くの大きな自然公園に出掛けた。
芝生の上、レジャーシートを敷いて、私の作ったお弁当を広げて、それを食べたら二人でゴロゴロ寝転んだ。
「だな」
そう笑う中さんの横顔を見ながら、幸せを噛み締める。
付き合い出して、敬語は辞めろと言われて、少しずつタメ口も安定して来て。
休みの日は、デートしたり。
一昨日のそのデートの時、途中から急に雨が振り出して、二人でびしょ濡れになって、困ったなと笑いながらこのマンションに帰って来た。
首元にある、中さんに貰った星のチャームのネックレスを撫でるように触る。
この人と、ずっと一緒に居たい。