朝なけに
「正解」
その中さんの言葉に、まさかと思う。
「俺の兄ちゃんは、聖王会三代目会長の加賀見一夜。
で、殺された」
かがみいちや。
殺された聖王会会長の名前迄は覚えてはなかったけど。
本当なのだろう…。
「俺は、加賀見会長の秘書」
そう口にする修司さんの表情も、辛そうで。
「あ、あの、ごめんなさい。
まさかそんな事情があるなんて」
「なんで、謝るんだよ?」
中さんは、冷ややかで。
「だって、お兄さんが亡くなってるなんて。
しかも、殺されて―――」
「可哀想か?俺が?
兄ちゃんが殺されて、俺なんかよりももっとな」
中さんに横目で睨まれ怖くて、怯んでしまう。
「中君、飲み過ぎじゃない?」
修司さんが、そう助け舟を出してくれる。
「――そうですね。
今日は、もう帰ります」
中さんは取り出した財布から1万円札を取り出し、
お釣りはいいです、と言って席から立ち上がった。
「お前も電車あるうちに帰れよ」
振り返らずそう言って、お店から出て行った。
「あ、あの、修司さんごめんなさい。
そして、先程は助けて頂きありがとうございます」
「うん。中君、お兄さんの事は気安く触れて欲しくないから」
気安く…。
そうだな。
私、ちょっと無神経で。
「私も、これで失礼します。
お会計お願いします」
椅子から、立ち上がる。
追いかけて、中さんに謝らないと。
「ん、いいよ。
中くん、そのつもりで多めに置いてってるんだと思うから」
「そうなのですか?」
「中君も、ちょっと葵衣ちゃんに悪い事したな、って今頃思ってると思う。
でも、次に会う時はこの事を蒸し返したりせず、オレンジジュースごちそうさまでした、って可愛く言ってみたら?」
「分かりました」
その中さんの言葉に、まさかと思う。
「俺の兄ちゃんは、聖王会三代目会長の加賀見一夜。
で、殺された」
かがみいちや。
殺された聖王会会長の名前迄は覚えてはなかったけど。
本当なのだろう…。
「俺は、加賀見会長の秘書」
そう口にする修司さんの表情も、辛そうで。
「あ、あの、ごめんなさい。
まさかそんな事情があるなんて」
「なんで、謝るんだよ?」
中さんは、冷ややかで。
「だって、お兄さんが亡くなってるなんて。
しかも、殺されて―――」
「可哀想か?俺が?
兄ちゃんが殺されて、俺なんかよりももっとな」
中さんに横目で睨まれ怖くて、怯んでしまう。
「中君、飲み過ぎじゃない?」
修司さんが、そう助け舟を出してくれる。
「――そうですね。
今日は、もう帰ります」
中さんは取り出した財布から1万円札を取り出し、
お釣りはいいです、と言って席から立ち上がった。
「お前も電車あるうちに帰れよ」
振り返らずそう言って、お店から出て行った。
「あ、あの、修司さんごめんなさい。
そして、先程は助けて頂きありがとうございます」
「うん。中君、お兄さんの事は気安く触れて欲しくないから」
気安く…。
そうだな。
私、ちょっと無神経で。
「私も、これで失礼します。
お会計お願いします」
椅子から、立ち上がる。
追いかけて、中さんに謝らないと。
「ん、いいよ。
中くん、そのつもりで多めに置いてってるんだと思うから」
「そうなのですか?」
「中君も、ちょっと葵衣ちゃんに悪い事したな、って今頃思ってると思う。
でも、次に会う時はこの事を蒸し返したりせず、オレンジジュースごちそうさまでした、って可愛く言ってみたら?」
「分かりました」