朝なけに
片思い
中さんの少し後を着いていく。
エントランスを抜けエレベーターに乗り、このマンションの最上階の22階フロアへと行く。
廊下を歩くと、見えた景色の高さに圧倒される。
見渡す限り平面な田舎育ちで、今住んでるワンルームマンションも5階建ての3階だし。
ちょっと塀に近付き下を見てみると、地面が遠くて足がすくむ。
「お前、何やってんだ?」
本当に、なにやってんだ、って顔。
このマンションに住んでいる中さんからしたら、特別凄くも珍しくもない光景だろうし。
「観光地のタワー以外で、こんな高い場所とか上った事ないから」
地上よりも、ちょっと風も強いな。
「ああ。お前ここら辺の人間じゃないのか?」
中さんのそれが、どの辺り迄を指すのかは分からないけど。
「私、S県から大学進学で2ヶ月程前に、こっちに出て来たばかりなんです」
「S県?また何もなさそうな所だな?
海沿い?」
「いえ。私は海から遠い内陸部の、Y市の方なんですけど」
「Y市?知らねぇ」
そう笑う中さんの顔に、キュンとして、やっぱり私はこの人が好きでたまらないと思った。
エントランスを抜けエレベーターに乗り、このマンションの最上階の22階フロアへと行く。
廊下を歩くと、見えた景色の高さに圧倒される。
見渡す限り平面な田舎育ちで、今住んでるワンルームマンションも5階建ての3階だし。
ちょっと塀に近付き下を見てみると、地面が遠くて足がすくむ。
「お前、何やってんだ?」
本当に、なにやってんだ、って顔。
このマンションに住んでいる中さんからしたら、特別凄くも珍しくもない光景だろうし。
「観光地のタワー以外で、こんな高い場所とか上った事ないから」
地上よりも、ちょっと風も強いな。
「ああ。お前ここら辺の人間じゃないのか?」
中さんのそれが、どの辺り迄を指すのかは分からないけど。
「私、S県から大学進学で2ヶ月程前に、こっちに出て来たばかりなんです」
「S県?また何もなさそうな所だな?
海沿い?」
「いえ。私は海から遠い内陸部の、Y市の方なんですけど」
「Y市?知らねぇ」
そう笑う中さんの顔に、キュンとして、やっぱり私はこの人が好きでたまらないと思った。