朝なけに
「色々、場所わかったか?」


リビングに戻ると中さんはソファーに寝転んでいたが、私を見て体を起こした。


「はい。ありがとうございます」


化粧水とかだけじゃなく、シャンプーとかも普段使っているものより高そうなもので、
全身かなり潤っている。


「こっち来いよ」


その言葉に、最高潮に緊張してしまう。
ゆっくりと中さんの方へと行き、少し離れて隣に座る。
すると、肩に腕を回されてグッと引き寄せられた。


「触りにくいから、もっと近寄れ」


「…あ、はい」


心臓がバクバクいってて、苦しい。


「もしかして、お前緊張してんのか?」


中さんは掛けていた眼鏡を片手で外し、テーブルに置いた。


「はい…。
あ、私は明日、大学は2限目からなのでそれ程朝は早くないですが、
中さんはどんな感じですか?」


もう、深夜1時。


「俺は、昼までに会社に行けば問題ない」


会社って事は、やはり中さんはサラリーマン?
でも、腕のタトゥーを見ると、普通に会社勤めとも思えない。


「中さんは、お仕事何されているのですか?」


「照か千里から聞いてないのか?」


「はい。照さんと千里さんにそれを訊いたら、どちらも教えてくれなくて」


「イベント会社。
イベントだけじゃなく、投資もやったり、流行りの飲食とかの店やったり。
うちの会社は、そんな感じ」


その言い方だと、中さんがその会社を経営しているのだろうか?
でも、照さんや千里さんも経営者だからそうなのかも。


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