朝なけに
「お前、今まで男居なかったのか?」
急に訊かれ、えっと思い中さんの顔を見る。
「その顔なら、それなりに寄って来る男居ただろう?」
私に、寄って来る男…。
それは居なかったけど、彼氏は居た事はある。
「…私、中学一年から高校二年迄付き合っている彼氏が居ました。
その彼は、同じ年の幼なじみなんですけど。
家も近所で。
あっ、でも、それは私の地元の感覚で、都会の人なら近所じゃないじゃん、って思うかもしれませんが」
その幼なじみの彼、浜崎文人(はまさきふみと)の家は、私の家から自転車で5分くらいの距離。
「え…、んなに付き合ってて、ヤってねえの?」
「はい。キスは何度かしましたけど」
それも、軽く触れるだけのもので、先程中さんとしたような濃厚なものではない。
「なんで、ヤらねえんだ?」
「多分、恋人ってより兄妹みたいな感じだったからかもしれません」
「兄妹?お前そいつの事好きじゃなかったのか?」
「好きでしたけど、それは恋じゃなくて…。
お互いそうでした。
結果的には私がフラれたのですが。
向こうに好きな人が出来て。
私には感じなかった、ドキドキした気持ちや、彼はその人にこの人だ、ってピンと来たそうで」
「なんだそれ?」
今の中さんのように、当時私だってそう思ったけど。
実際、私が中さんに同じような気持ちを抱いて、あの時の文人の気持ちがよく分かった。
異性を特別な感情で好きになるって、こういう事なんだって。
「今も、彼とは仲はいいんですけどね。
本当に兄妹みたいだし、親友です。
親同士も仲が良いので、お互いの家族で旅行とかも、私達が別れてからも有りましたし。
彼は地元の方の大学に進んで、私はこっちに出て来て前みたいに頻繁に会う事はないですが。
その代わり頻繁にLINEでやり取りしたりしてます」
文人は、その好きになった人とは何度か告白したが上手く行かなかった。
だけど、最近大学に好きな人が出来たみたい。
私も近々、中さんの事を文人に報告しよう。
今夜が、最後かもしれないが。
急に訊かれ、えっと思い中さんの顔を見る。
「その顔なら、それなりに寄って来る男居ただろう?」
私に、寄って来る男…。
それは居なかったけど、彼氏は居た事はある。
「…私、中学一年から高校二年迄付き合っている彼氏が居ました。
その彼は、同じ年の幼なじみなんですけど。
家も近所で。
あっ、でも、それは私の地元の感覚で、都会の人なら近所じゃないじゃん、って思うかもしれませんが」
その幼なじみの彼、浜崎文人(はまさきふみと)の家は、私の家から自転車で5分くらいの距離。
「え…、んなに付き合ってて、ヤってねえの?」
「はい。キスは何度かしましたけど」
それも、軽く触れるだけのもので、先程中さんとしたような濃厚なものではない。
「なんで、ヤらねえんだ?」
「多分、恋人ってより兄妹みたいな感じだったからかもしれません」
「兄妹?お前そいつの事好きじゃなかったのか?」
「好きでしたけど、それは恋じゃなくて…。
お互いそうでした。
結果的には私がフラれたのですが。
向こうに好きな人が出来て。
私には感じなかった、ドキドキした気持ちや、彼はその人にこの人だ、ってピンと来たそうで」
「なんだそれ?」
今の中さんのように、当時私だってそう思ったけど。
実際、私が中さんに同じような気持ちを抱いて、あの時の文人の気持ちがよく分かった。
異性を特別な感情で好きになるって、こういう事なんだって。
「今も、彼とは仲はいいんですけどね。
本当に兄妹みたいだし、親友です。
親同士も仲が良いので、お互いの家族で旅行とかも、私達が別れてからも有りましたし。
彼は地元の方の大学に進んで、私はこっちに出て来て前みたいに頻繁に会う事はないですが。
その代わり頻繁にLINEでやり取りしたりしてます」
文人は、その好きになった人とは何度か告白したが上手く行かなかった。
だけど、最近大学に好きな人が出来たみたい。
私も近々、中さんの事を文人に報告しよう。
今夜が、最後かもしれないが。