朝なけに



自宅のワンルームマンションに戻ると、とりあえず歯を磨く。
中さんとのキスの痕は消えるが、仕方ない。


それにしても、生まれて初めての朝帰り。
朝ってこんなにも朝日で明るいんだな。


帰り道、すれ違う人に少し羞恥心を持った。
私が朝帰りなんて誰も知らないけど、知られているみたいに感じて。


中さんの広くて豪華なマンションの後だから、我が家がとても狭く質素に感じるな。
かろうじてオートロックはあるけど。


とりあえず、今日は天気がいいから洗濯して行こう。


そして、幼馴染みの文人に好きな人が出来た事を報告しよう。
そう思いスマホを手に取りLINEを開くと、中さんにLINEを送りたい衝動にかられる。


でも、用事がないのに連絡してくるなって言われている。
だから、我慢。


なんだか、片思いって忍耐だな。

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