朝なけに
その後、中さんがシャワーから戻って来て、昨日のように部屋着のスエットのズボンとTシャツで、赤いフレームの眼鏡姿。


「お前も、シャワー浴びるなら使えよ?
一応、あっちに着替え置いといた」


「ありがとうがございます」


シャワーを浴びるって事は、今夜こそは抱かれるのだろうか?


中さんのマンションに来る道中のコンビニで、
パンツと歯ブラシは買って来て、泊まる準備は万端で来てはいたけど。


昨日のようにシャワーを浴び終えると、化粧水等で肌を整える。
この高そうな化粧水とかは、中さんの一番目の女性のものだろうか?
その女性は大人なのかな?と、化粧水のボトルを見て思う。


「中さん、今夜も色々お借りしてありがとうございます」


今夜は、Tシャツと短パンが私の着替えとして用意されていた。
やはり、それは女性もの。


「ああ」


中さんはソファーに深く座り、テレビに視線を向けていたが、
何時までも立ったままの私に視線を向けて来る。


「この着替えもそうですが、洗面台にある化粧水とか、勝手に使ってもいいのでしょうか?
中さんの他の女性の物ですよね?」


「構わない。
俺が買った物だから」


「それでも、その女性の物ですよね?
私なら、勝手にそうやって使われていたら嫌だから」


中さんが、女性にプレゼントしたもの。
もし私がそうやって中さんにプレゼントして貰って、それを他の中さんの女性が使っているとか嫌だ。


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