朝なけに
「別に、勝手に使っても何も言わねえ奴なのに」


それは、その女性がって事だろうか。


「でも…」


でも、なんだろう?


本当は、私がその女性の物を使うのが嫌だっただけなのかもしれない。
千里さんの話だと、一番目の女性に中さんは恋をしていて。
この家にある女性のものは、きっとその女性のものだと思うから。


そんな二人の関係が何なのかよく分からないけど。


中さんは好きなのに、何故二人は付き合っていないのか…。
男女逆だからピンと来ないが、中さんはその女性に遊ばれているのだろうか?


だから、千里さんも照さんも、中さんにその女性を忘れさせたいのだろうか?


ソファーに座った中さんの横に、少し距離をとって座る。


「だから、触りにくいからもっと近くに来いよ」


中さんに肩に腕を回され、グイっと引き寄せられる。


「でも、中さん私を抱く気ないですよね?」


先程、そんな感じの事を言っていたから。


「別に、何もしねえとは言ってないだろ?」


そうなの?


「お前顔は可愛いから」


そう言って、さらに中さんの腕の力が強くなり、キスをされた。
昨日のように、中さんの舌が私の口内に入って来る。
中さんの真似をするように、中さんの舌に私も舌を絡めた。


そうしていると、リズムが合って来たように、中さんの舌と私の舌が上手く絡み合う。


中さんの手が私の胸に触れて来る。
それはTシャツの上からなのだけど、
それに驚いて中さんから体を離すと、唇も離れた。


「胸、触られんの嫌か?」


色っぽい声でそう言われ、ううん、と首を横に振る。
嫌じゃない。


中さんは、再び私にキスをしてくる。
先程よりも、激しく私の唇を貪るように。


次第に中さんの手はTシャツの中に入って来て、ブラジャーに手を突っ込み、直に胸を触られている。


なんだが、凄く気持ち良くなって来て。
このまま中さんに抱かれたいと強く思ってしまう。


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