朝なけに
「半殺しにしたきゃ照(てる)お前がやれ?」


「えー、俺は自分の手が血で汚れんの嫌だ」


そのモデルのような男性の照さんはそう笑うけど、中さんは不機嫌そうな表情。


金髪の木下さんは、そんな二人を見ながら分かるくらいに震えている。
この木下さんが恐れおののくような人達なのだろうか?
この二人。


「とりあえず、お前らもういいだろ?」


三人目の男性が、中さんや照さんと同じように、店の奥からまたこちらへ歩いて来る。


それにしても、この人迄スタイル良し顔良しで。


本当に、この人達アイドルか俳優かなんかで。
今夜は、このお店で芸能人の集まりか何かだったのだろうか?


「あ?千里(せんり)お前迄いちいち来んなよ」


と中さん。


「千里君は一人部屋に取り残されて寂しかったの?」


と照さん。


その二人の言葉に、千里さんと思われる人は眉間を寄せている。


この千里さんもイケメンなのだけど、中さんと照さんと違うのは、一目見てヤバい人なのかな?と思う雰囲気がある。
この人も上着は脱いでいるけど、スーツ姿。
髪は黒いけど、いわゆるヤクザに見える。


千里さんもこちらに来て三人並ぶが、三人共ほぼ背丈が同じなのだけど、
雰囲気がバラバラ。


サラリーマン、モデルか美容師、ヤクザ……。


年齢はみんな二十代後半くらい?


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