朝なけに
ひとしきり笑うと、フォークとナイフを使いパンケーキを口に運ぶ。
生クリームが山盛りなのもそうだけど、イチゴも沢山載っていて華やか。
見た目もそうだけど、味もとても美味しい。


「都会って、本当に凄いですね。
当たり前にこんな美味しいものがあって」


「S県には、パンケーキはねえのか?」


「近所の喫茶店のは、パンケーキじゃなくホットケーキで、薄くて。
あ、けどファミレスにはあります!
ただ、そのファミレスは車で一時間くらいの距離なので滅多に行けないのもそうですが、
家族でそこに行ったら、ハンバーグ食べたらお腹一杯でなかなかパンケーキに迄手が伸びなくて」


「へぇ」


と興味なさそうに返される。


「だから、文人、さっき言った親友にも自慢しないと!」


「親友って、男か?」


「はい。文人は親友であり、元彼であり、幼なじみなんです」


「お前、そうやってすげえ親密な男が居んのか?
なのに、中が好きだとか言ってんのか?」


え、ダメなの?
親密な男の人が居たら、他の男性を好きになったら。


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