朝なけに
「俺、ボトルあるから。秋山君はその辺り知ってるから大丈夫。
後、俺、この店来る度毎回違う女の子指名してるから、指名変えのトラブルに巻き込まれる事ないから、安心して」


「はい…」


指名変え…?まだまだこの世界分からない事ばかりだな。
友達の千里さんのお店だから、照さんもよくこのお店に来ているみたい。



「どう?この仕事慣れて来た?」


「どうでしょう…。
昨日は、お客さんのグラスに手が当たってテーブルの上にひっくり返すなんて事が有りましたけど」


その人はとても優しくて、笑って許してくれた。


「まあ、そういうのもアカネちゃんらしくていいんじゃない?」


私らしいのか…。
中さんだけじゃなく、千里さんや照さんにも私の印象は普通ではなさそうだな。



「照さん、今日はお休みでした?」


私服だから。
ただ、照さんは前にバーで会った時も私服だった。
なので、仕事でもスーツは着ないのかもしれない。


「一応。今日は起きてから掃除したり家の事ばかりしてて。
で、自宅でちょっと仕事もしたんだけど…。
そしたら息抜きしたくなって、で、こうやって女の子の居るお店に来ちゃった」


息抜きの相手が私で悪いな…。
それよりも。


「照さんって、女癖が悪いんですよね?
なら、こういうお店に来なくても会える女性は一杯居るんじゃないんですか?」


「それ、千里が言ってた?
あいつは女癖が悪いから、お前も気を付けろ…とか?」


「え、と…」


千里さんからその辺り聞いたとか言っていいのかな?
今さらだけど。


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