朝なけに
「で、何観る?
時間的に、アニメか洋画のサスペンスだな?」


フロアにあるモニターに何種類もの映画のタイトル画面が映し出されていて、
その下に上映時間も書いている。
中さんの言うように、その人気アニメの映画か、洋画のサスペンス…。


アニメの方は、私も昔からテレビで観ていて好きなアニメで、ちょっと観てみたいけど。
なんとなく、デートでアニメってのも…。


「じゃあ、洋画の方でお願いします」


その洋画のミステリーは、ホラー要素もあってけっこう面白そう!


「分かった」


中さんはそう言って、その映画のチケットを専用の自動発券機で買ってくれる。


「中さん、映画もおごって貰っていいのですか?」


「ああ。お前より俺の方がけっこう年上だから、それは気にするな」


気にするな、と言われても。
気にはする…。
かと言って、なんとなく中さん相手に自分の分くらいは自分で出します!とか言うのも、変な感じはする。
言った所で、却下されるだろうし。


「分かりました。
お言葉に甘えます」


「ああ。
今日はお前を甘やかしてやる」


そう笑う中さんの腕に、手を絡める。
早速そうやって甘えた。

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