2年で離婚予定の妻ですが、旦那様が永久溺愛で逃がしてくれません
「瑞穂様もどうぞこちらへ」

残ったふたりの女性に促され、私も一室へ連れて行かれる。

ドアを開けて目に飛び込んできたのは、マネキンに着せられた純白のウェディングドレス。

「これ……」

「早速お着替えいたしましょうか」

こちらの困惑をよそに、ニコニコと女性が準備を始める。

ロングスリーブ部分だけがレースになっている、シンプルなシルクのAラインドレス。

派手なものや露出の多いものが苦手な私にはドストライクのデザインだ。

着せてもらったら、サイズもぴったり。

どうしてだろうと思って、はたと数ヶ月前のことを思い出す。

斗真さんに『今度の倉橋商事の式典用にドレスを一着買おう』と言われたのだ。
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