2年で離婚予定の妻ですが、旦那様が永久溺愛で逃がしてくれません
「瑞穂、まずマスターに相談するんだ。それと警察にもな」
マンションまで車を走らせながら、斗真さんは言う。
「え、警察だなんて……大袈裟ですよ」
「またあいつが来たらどうするんだ」
確かに、さっきの坂本さんはいつもと違う人みたいで怖かったけど……
「坂本さん、そんなに悪い人じゃなかったと思うんです。いつもは穏やかで気さくな方で……」
「この期に及んであいつをかばうのか」
斗真さんが怒気を含んだ口調になる。
同時に赤信号で車が止まり、こちらに身を乗り出した斗真さんが私の顎を持ち上げ、唇が触れた。
生温かい感触に、目を閉じることすらしないまま固まった。
ゆっくりと唇を離した斗真さんは、青信号に変わると何事もなかったようにまた車を走らせる。
えっと。今のは夢だったのかな。幻だったのかな。
いや、そんなわけがない。
湯を沸かすように足先から頭まで熱くなる。
どうして。
今までキスをしたことなんてなかったのに。
抱き寄せられたのだって昨夜が初めてだったのに。
やっぱり斗真さん、様子が変だ。
斗真さんとはそれから何もしゃべることはなく、会話のないまま車は自宅へと到着した。
マンションまで車を走らせながら、斗真さんは言う。
「え、警察だなんて……大袈裟ですよ」
「またあいつが来たらどうするんだ」
確かに、さっきの坂本さんはいつもと違う人みたいで怖かったけど……
「坂本さん、そんなに悪い人じゃなかったと思うんです。いつもは穏やかで気さくな方で……」
「この期に及んであいつをかばうのか」
斗真さんが怒気を含んだ口調になる。
同時に赤信号で車が止まり、こちらに身を乗り出した斗真さんが私の顎を持ち上げ、唇が触れた。
生温かい感触に、目を閉じることすらしないまま固まった。
ゆっくりと唇を離した斗真さんは、青信号に変わると何事もなかったようにまた車を走らせる。
えっと。今のは夢だったのかな。幻だったのかな。
いや、そんなわけがない。
湯を沸かすように足先から頭まで熱くなる。
どうして。
今までキスをしたことなんてなかったのに。
抱き寄せられたのだって昨夜が初めてだったのに。
やっぱり斗真さん、様子が変だ。
斗真さんとはそれから何もしゃべることはなく、会話のないまま車は自宅へと到着した。